野草と雑木の庭　施工例1雑木林風のベランダ

こちらのお宅ではリビングの窓からのぞめるベランダに植栽スペースを設け、クヌギ・コナラ・ツリバナ・ウスノキなどの雑木と呼ばれる樹木とイカリソウ・シュンラン・ヤブコウジなど雑木林の林床で育つ野草たちを植栽しています。

山野草はその他に、キキョウ・ササリンドウ・イワシャジン・オヤマボクチ・イトススキなど秋草を中心に草原に育つものなども合わせ、はじめに約80種ほど植えています。

まずこちらのお客様のご希望は｢自然な雑木林風のものにして欲しい｣ということでした。　具体的には｢雑木林の代表種クヌギ・コナラ、季節感のある紅葉する木としてモミジなどは必ず入れたい｣というご主人のご希望はかなえることができました。

そして｢夏は暑くて外にでられないぐらいのベランダを、野草を眺めながら夕涼みが楽しめる空間にしたい｣｢のんびりとビールなどを飲めたらいいですね｣というお話もでました。

これは施工前の状態です。ベランダとしては幅・奥行きともに広めのつくりです。

何もないとやはりさびしいですね。

	そこで、ある程度奥行きに余裕もあったので全面を植栽せず、手前には縁側風にデッキを敷きこむことで室内からつながった空間になるようにしました。
	画像の右手に映っているモミジ（アオシダレ）は室内から見ると窓枠ごしに枝垂れた姿をのぞかせます。

また、当初お客様は、高台なので風もつよく日当たりも強いぐらいのベランダで、山野草は少しきついのでは？という心配もされていたようです。　たしかに、この条件ですと土の乾燥が速いので、湿地のものなど乾燥に弱い種類は植えられませんが、水もちのよい用土を用いたり匍匐性で成長の早いヘビイチゴなどで土の表面を覆うことでかなり補うことができます。

	風が強いということは、風通しがよいということでもあるので、植物が蒸れて病気になる心配も少ない、という点も山野草は意外とベランダでよく育つ理由ではないかと思います。
	樹木などはある程度の土の深さが必要なので、手前から奥に行くにしたがって土を盛り、足場代わりにもなる枕木や溶岩石で土止めをしています。　この溶岩石にコケがついていたので、よりいっそう風情がでました。

	これは植栽部分の左側のコンテナです。　将来的にこちら側には鉢物を置いたりできればとのことでした。　フウチソウなどグラス類を中心に、カワラナデシコやネジバナ・ヘビイチゴなどが顔をのぞかせます。

施工直後は、画像を見ていただくと判るように、クヌギ・コナラがひょろひょろとか細かったので、施工後すぐにやってきた台風にはひやひやしました。

先日久々に現在の様子を伺ったところ、その後ご自身でいろいろと手を入れられているとのことでした。　また、当時は頼りなげだったクヌギたちもだいぶ立派になったとのことで、近々お伺いして植物たちの成長ぶりを見せていただくのがとても楽しみです。

こちらでも、その後の様子をアップしたいと思いますので、楽しみにお待ちください。

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